日本では4月から新年度が始まるため、
春は引っ越しや新生活のシーズン。
京都も、この時期は引っ越しのトラックで溢れかえっています。
そんな中、「引っ越してきたけど、京都の住所の表記がよく分からない!」
という声をよく耳にします。
「○○通○○上る」?「○○通○○下る」??
初めて見る人にとっては、まるで暗号のような京都の住所。
京都の住所には独特のルールがあります。
それは、「上る(あがる)」「下る(さがる)」「西入る(にしいる)」「東入る(ひがしいる)」
という言葉が住所や案内に日常的に使われているんです。
特に「上る(あがる)」「下る(さがる)」が難しいようです。
京都の住所は特徴とルールさえ分かれば簡単

京都市の住所って、ちょっと他の地域とは違うんです。
一般的には「○○県○○市○○町○番地」というように、書かれるのが普通ですよね。
勿論、基本的にはこの表記なのです。
でも、京都では「○○通(どおり)」「○○上ル(あがる)」のように、
「○○は通りの名前」+「そこからどこに進むか」+「町名」という表記になっているんです。
通り名前だけでなく寺社の名前を使う場合もあって、
「○○通」+「○○寺西入る」と表記する場合もあります。
特に上京区・中京区・東山区・下京区の京都市の中心部はこの表記がとても多いんです。
なので、とにかく長い!!
Wikipedia「長大語」という項目にも記載されてました。
- 京都府京都市上京区寺町通今出川上る一丁目西入三筋目上る上塔之段町(32文字)
- 京都府京都市東山区三条通南裏二筋目白川筋西入二丁目南側南木之元町(32文字)
- 京都府京都市上京区今出川通烏丸東入上る二筋目東入下る相国寺門前町(32文字)
まるで暗号のような住所かもしれません。
しかし、そのルールさえ分かればとても簡単なんです。
「上る」「下る」「西入る」「東入る」とは?

この表現は「〇〇通から、どの方向に入る(向かう)のか」を示しているんです。
「西入る(にしいる)」「東入る(ひがしいる)」
これは漢字が分かる方には難しくはないかと思います。
なぜなら、漢字の通り「〇〇通から見て、西に向かうのか東に向かうのか」を示しているんです。
たとえば、「寺町通御池東入る」という住所があれば、
それは「寺町通と御池通の交差点を東へ行ったところ」という意味。
反対に「西入ル」は、同じように交差点を西へ行くという意味なんです。
「上る(あがる)」「下る(さがる)」
少し難しく感じるのが「上ル(あがる)」と「下ル(さがる)」です。
しかし、この言い方も意味さえ分かれば難しくないんですよ。
これは、道に対して北へ向かうか、南へ向かうかを示す言葉。
「上る」は北へ、「下る」は南へ向かうことを意味しています。
つまり、寺町通今出川上るとは、寺町通りと今出川通りの交差点を寺町通りに沿って
「北へ向かう」という意味なのです。
京都の住所はどうしてこんな表記なの?
京都の中心部は、碁盤の目のように道が整っていて、
こうした方角表現がとても役立つんです。
つまり、京都の住所は「どの通りから見て、どっちに進むか」を教えてくれているのです。
方向が分かれば、まるで地図をたどるように目的地へたどり着けるんですよ。
実際の京都の住所で見てみよう
ここまでで、京都の住所のルールが少し分かってきたでしょうか?
では、実際の住所をひとつ見てみましょう!
たとえばこちら↓
京都府京都市上京区寺町通今出川上る一丁目西入三筋目上る上塔之段町
(きょうとふ きょうとし かみぎょうく てらまちどおり いまでがわ あがる いっちょうめ にしいる さんすじめ あがる うえとうのだんちょう)
……長いですね!(笑)
では、分解してみましょう。
- 寺町通今出川上る
→「寺町通」と「今出川通」の交差点から北へ進む - 一丁目西入る
→一つ目の筋を西へ曲がる - 三筋目上る
→さらに三つ目の筋を北へ進む - 上塔之段町
→目的地の町名!

つまり、「寺町通 × 今出川通」からスタートして、
→ 北へ → 西へ → 北へ、という3ステップのナビ付き住所なんです。
たしかに文字数は多い!
けれど、方角さえわかれば、実はすごく親切な仕組みなんです。
京都の住所は難しい?実はとっても親切な“道案内”なんです
京都の住所は、最初は少し難しく感じるかもしれません。
でも、「〇〇通から東に入って、そこから北へ…」というふうに、
道順を丁寧に説明してくれているんです。
いわば、地図のような住所。
「上る」「下る」「西入る」「東入る」などの意味が分かれば、
京都の街を歩くのがぐっと楽しくなりますよ!
京都の住所だけでなく、日常会話にも「京都らしさ」がたくさんあります。
例えば、関西弁は語尾がちゃうねんについて紹介した記事もあるので、ぜひご覧ください。
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